設計の悪いアンケート

微妙なアンケートが来た。

A.「自分が使う電力の再生可能エネルギーの比率は何%以上が良いと思うか?」
B.「自分が使う電力のCO2排出係数がいくら以下が良いと思うか?」

で、選択肢を選んで答えよ、とのこと。
正直なところ、このアンケートはいろいろな意味でどうかと思ったので、軽くメモっとく。

Aについても、Bについても言えることとして

  • 「いま」の話を聞いてるのか「長期的にどうあるべきか」をせめて分けてくれないかと思う。長期的な視点でみれば「日本が循環型社会を目指すことはよいことである」ということについて、否定的な人はあまりいないのではないか。その意味で、「いま」の話なのか「長期的にどうなのか」を分けていないこの設問はただの誘導的な設問になってしまっている。アンケートの設計としてクオリティが低いと思う。
  • 私がいうまでもなく、電力の制度設計は、かなり複雑な問題がいろいろとある。グランドデザインがないまま、世論の圧力とかだけで意思決定すべきタイプのものではない。集団全体の選好を知るという意味での世論調査は意味とは思うが、このアンケートが何かしらの電力に関する投資の意思決定にかかわるものであるならば、私はこのアンケートに答えるべきではないと思う。
  • 「いま」の話をしているのならば、いま現在の我が家では再生可能エネルギーを導入しておらず、関西電力と普通に契約して節電に励んでいるだけなので、導入していないという答えになる。

 たまにこういう、明らかに誘導的な設問だったり、問として無意味としか感じられないような設問のアンケートがまわってくるが、担当者の人には、調査設計の基礎的な本を勉強してほしいと思う。私も勉強不足で、日々いろいろな人にご迷惑をおかけしている身分なので、あまり上から目線のコメントも恐縮なのではあるが。