備忘録:e-taxの罠回避のための攻略メモ@2017年度末

e-taxをはじめてやり遂げるのは、DQ2でいえば、ロンダルキアの洞窟をクリアする程度には難しい。とりあえず、今年もe-taxをどうにか攻略して、データ送信できたので、攻略メモを備忘録として書き留めておく。
一番、詰んだらヤバいのは、パスワード間違えてロックがかかってしまうこと。3月15日ぎりぎりにパスワード類の再設定とかするとマジで死ねるので、e-taxするなら、2月中にパスワード類の確認だけでもやっておくこと。

(1)必要なツール類。

  • Windows PC(Macでも可)
  • Internet Explorerの最新版(MacならSafari
  • Adobe Acrobat Reader DC
  • 事前に「電子証明書」が組み込まれているマイナンバーカード(もしくは住基カード)の発行が必要。電子証明書の発行手続きを申し込んでいないと、そもそもe-taxができない
  • 電子証明書の登録。※転居や再発行などの理由で、再登録が必要になることがある。
  • なお、有効期限が設定されており、発行から3年〜5年ぐらいで期限切れになるので、期限切れの前に再発行が必要。
  • JPKI利用者クライアントソフト https://www.jpki.go.jp
  • ICカードリーダー(カードリーダーのドライバーのインストールも、もちろん必要)
  • 事前準備セットアップファイルのダウンロードとインストールが必要
  • e-taxそのものを、ウェブでやるか、e-taxソフトでやるかは、お好みで選択できる。e-taxソフトも一度ダウンロードしてみたが、ウェブ版のほうが、まだ手順がわかるので相対的にマシという印象。

(2)メモしておくべき番号

  • 必要
    • 利用者識別番号(4桁の数字4つで、合計16桁の識別番号。毎年、ハガキに印刷されてくるので、この番号が紛失する可能性は低い。)
    • 署名用電子証明書用暗証番号(6桁以上の英数字のパスワード。マイナンバーカード登録の際に、メモする人が多いと思われる。)
    • e-taxの暗証番号(8桁以上50桁以内。これのメモを忘れると、再発行にかなり時間がかかるようなので、やばみ。)
  • ほぼ不要?

(3)そもそもの確定申告の数字
決算書、所得税の計算など。これはこれで大変だけど、ここは割愛します。

(4)途中データの形式

  • 所得税のデータ:.data形式
  • 青色申告の決算書などのデータ:.xtx形式(内部はxml形式らしい)
  • pdfデータはあくまで、出力用のものなので途中データとして読み込ませる用途には使用できない。

(5)e-taxの罠的なものまとめ

  • 【超重要】マイナンバーカードや、住基カードを持っていても、電子証明書を取得していなければ、e-taxはできない。役所に行って再度の手続きをとる必要がある。
  • 【超重要】パスワード類がやたらと増殖していて煩雑だが、絶対に間違えないように事前に整理しておく必要がある。混乱を招く仕様になっているため、仕様そのものが間違いを誘発しているとしか思えないが、間違ったパスワードを3回〜5回うちこむと、ロックがかかってしまう。ロックがかかると役所までいかなければいけない。つまり、ゲームオーバーです。最初からやりなおしてくださいということ。コンティニューできません。3回間違えたらセーブデータが吹き飛ぶどころか、ゲームそのものが起動しなくなる仕様だと思ってください。ここだけ鬼ハードモードです。オンラインからの再申請とかできません。役所というの名のオフラインからの再申請のみが可能。
    • マイナンバーに関するパスワードは合計で4種類あり、e-taxのためだけのパスワードが1種類あり、合計でご種類のパスワードがあるが、実際にe-taxに必要なパスワードはこのうちの二種類(のはず)。6桁以上の「署名用電子証明書用暗証番号」と、8桁以上の「e-taxの暗証番号」。しかも、パスワードの呼び名が微妙に不統一なので混乱に拍車をかけているが「6桁以上」と「8桁以上」という補助的な記述については、記述に統一性があるので、6桁以上のパスワードか、8桁以上のパスワードかで覚えておくとよい。
  • 【超重要】電子証明書の有効期限がある住基カードなら電子証明書の発行日から3年。マイナンバーカードなら電子証明書発行の日から5回目の誕生日まで。
  • 【重要】「所得税等の確定申告」をすると、全データの送信画面にすすんでしまうので、青色決算書、消費税、贈与税などの申告書を作る必要のある人は「所得税の確定申告」を最初に選んではいけない
    • 間違えて、最初に所得税等の確定申告を選んでしまった場合
      1. 全データ送信画面に行く際に、データのダウンロードを「.data」形式でダウンロードできるので、そのデータをローカルに保存しておくのが吉。
      2. その後、青色決算書を記載した場合、記載後に、所得税の確定申告のページに親切にナビゲートしてくれる。…だが、その場合には事前につくった「.data」ファイルを読み込みチャンスがない。よって、青色決算書のデータを「.xtx」ファイルとしてローカルに保存したうえで、e-taxウェブのトップページまで戻る必要がある。
      3. トップページまで戻ったら、改めて「所得税等の確定申告」に「.data」を読み込ませて、全データ送信の画面まできたら、「xmlファイルなどを添付する」みたいな選択肢が選べるようになる。そのときに「.txt」ファイルを添付する。xmlファイルが、xtx拡張子であるということがパッと結びつかいない人が多いと思うが、国税庁によれば「電子申告するための仕様を公開しているe−Taxソフトにおいて、電子申告のファイル形式を「.xtx」として」いるためだそう。というわけで、xtx拡張子のファイルはxmlファイルである
      4. 一言でいうと、途中データ保存ができる場面があるが、絶対に保存すべき。データ保存していればなんとかなる。
  • 【重要】最終的にデータの送付がエラーになることがさまざまな理由で発生する。e-tax内で完結したメッセージ(メール)システムが実装されているため、最終的にデータが送付できたかどうかは、e-tax内のメッセージの受信ボックス内で送付成功かどうかを確認しておく必要がある。
  • 【重要】また、1月1日より後に引っ越しをした場合、1月1日に住んでいた地域の税務署にデータを送る必要がある。数年前1月なかごろに転居してから、住居近くの税務署にデータを送ったが、引っ越し前の税務署から「確定申告がなされていません」という通知がきたことがある。地域をまたいだ税務署同士の連携は部分的にしかなされていない。税務署同士でうまくデータをやりとしてくれていることを期待してはいけない。なので、1月以後に引っ越しをしている人は要注意。もし、間違えて別の税務署にデータを送信してしまった場合は、途中保存したデータを読み込んで、適切な税務署にデータを再送付すべし。
  • 【微細な罠】誰がどう考えても、e-taxはICTのリテラシーが極めて高い層でなければどう考えても詰む仕様になっている。そのため、e-tax利用者がWindowsユーザーである場合、利用ブラウザは概ね、FireFoxか、Chromeだと思われる。しかし、行政のサービスらしくITリテラシーが低い人に対応しているのかInternet Explorer 11が推奨環境となっている。いちいち、IEを立ち上げさせられるのが、イライラ感を増幅させてくれる素敵な仕様で、いまどき得がたい味わいがある。

 
なお、我が国の電子政府は、世界の電子政府ランキングで11位だそうです。